江戸の大名茶人

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江戸の大名茶人

財政難であった松江藩を様々な財政改革で救ったヒーローでありながら、その後、高額な茶道具を買い入れまたもや藩財政を悪化させた(私にとって謎の)藩主。松江藩七代藩主 松平治郷(まつだいらはるさと)公、号は不昧(ふまい)。 散財の金額をおたずね頂いたので追記です。 300両から2000両、1両を7万5千円で計算してみると、何と! 2千250万円から1億5千万円の価格帯の茶器を買い込んだらしいです。  江戸時代のお茶好き大名として有名です。 呼ばれれば、藩主でありながら、鴻池善右衛門などの商人(豪商ではありますが)の開いた茶会にも出席しました。 自ら茶道具を「大名物」「名物」「中興名物」の格付けをした『古今名物類聚』を記しています。 c730870a-a1c9-41fc-8878-99648229a36c国会デジタル図書館所蔵 古今名物類聚(大名物茶入れの部) もう一人、大老井伊直弼もまた茶人でした。号は宗観(そうかん)。 兄が13人もいた直弼は自身は家督を継ぐなど思ってもおらず、16歳で父を亡くした後は、自分で埋木舎(うもれぎのや)と名付けた屋敷に住んでいました。 亭主、客、会わせると二百以上の茶会に参加しています。 その時の茶会を一生一度と考えて悔いが残らないように相対する千利休の残した「一期一会」の言葉を愛し、広めた人でもあります。 ~そもそも、茶の湯の公会は一期一会といいて、例えば幾度おなじ主客、公会するとも、今日の会に再びかえらざる事を思えば、実に我が一世一度の会なり~ 茶の心得の集大成である『茶湯一会集』の序文にもそれが記されています。
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