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炉開き
【こたつ開き】
『冬』でも触れましたが、江戸時代は、亥の月(旧暦10月、新暦11月)の亥の日に「こたつ開き」を行い暖房器具を使い始めていました。
身分制度に従い、暦上で先に来る上亥の日が武家、その12日後の亥の日が庶民が行います。
こたつや、火鉢といった暖房器具を無事出した後には、亥の形を模した亥の子餅や形が似ている里芋などを食べ、無病息災も祈っていました。
こたつ開きと、亥の子餅、同日に行われるという事でワンセットになっていますが、元々は、別々の由来を持っていたようです。
●火事防ぎの縁起担ぎ。
猪はどどどどっと土煙立てて走るイメージですが、意外にも「亥」は五行説では、火を押さえつける性質の「水」を表しています。水を帯びた月と日に火を使い始める事で、火事防ぎの縁起担ぎとした様です。
●平安時代の宮中行事からの流れ。
亥の月亥の日亥の時刻(夜の9時から11時)に亥の子餅や小豆餅を食べて万病を防ぐ「亥の子祝い」という行事がありました。
この時期の収穫の祭りとも重なって、庶民にも広まって行ったようです。
2021年の上亥の日は11月11日、次の亥の日は11月23日になります。
私の住む地域、11月予想最低気温一桁台、当日は3.0度、ん〜、我慢出来るかな〜?(;▽;)サムイヨネー
餅は食べられます!!(`・ω・́)ゝマカセテ
【炉開き】
江戸時代、茶室では、上中下とある亥の日の、最初の亥の日にあたる上亥の日に『炉開き』を行いました。
千家の様に大名に仕官し、武士並みの禄を受けている茶人も多い事から、武士と同じく上亥の日に火を使い始める事を許された様です。
この日、茶室では、夏の間閉じていた炉を開いて、無病息災、お家繁栄を願いながら、亥の子餅や小豆餅を食べ「炉開き」を祝いました。
『炉』は、旧暦10月から翌年の初夏4月まで使われます。旧暦の5月から9月までの暑い時期は炉に蓋をして、『風炉』と呼ばれる、火鉢状の器に炭を入れ、その上に釜をかけて湯を沸かします。
風炉は、暑い時期に、熱い炭や火を客の目から隠す心配りの道具です。
とはいえ、風炉は炉よりも歴史は長く、村田珠光が四畳半の茶室に炉を切る前までは、別室に置いた風炉で湯を沸かしそこで茶を立て、出来た茶を盆に乗せ茶室で待つ客に運び供するスタイルだったようです。
下の絵は上が炉開きの様子、下が子供達による風炉を使ったお茶会です。
十二ヶ月の内 ろひらき 渓斎英泉
国立国会図書館デジタルコレクション
子供風俗茶の湯 宮川春汀
国立国会図書館デジタルコレクション
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