書庫室の少女

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その殺気でユウマは思わず凍りつくように固まってしまった。 「…なんでオレに敵意を向けるんですか?それが先輩のやることなんですか!」 ユウマの剣はバルハリアを捉えたが、ユウマが剣の扱いになれていないことが起因したためか、惜しくもかわされてしまった。 「この学園はねぇ…貴族が来るのはあんまりなんだよ。僕ら平民が輝けないんだから!その点キミら貴族王族は邪魔なの!」 「そういう先輩だってご立派に生徒会長やってるじゃないですか!」 「これは僕が意地で掴んだ最高の地位なのさ!これは僕という一人の人間の核なんだよ!キミには到底理解できないだろうけど!」 「この学園の最高権力者は多分先輩じゃないですよ?この学園は学園長っていう立場の人がいる!」 「黙れ小僧ォ!」 バルハリアの剣はかなりのスピードで振り下ろされた。ぎぎぃんという誰が聞いても鳥肌がたつような音と共に二人は鍔迫り合いになった。 「ほらほらどうしたんだい?この状況で圧されているのはカッコ悪いだろ!」 …めちゃくちゃ重いっ。とっさに構えた格好が防御の構えで助かったぁ~!けど、これに圧し負ければ確実にオレは腹斬られて即天国行きだ… 「生半端な実力を過信するな愚か者ォ!」 ガァン 「ぐぅっ……」 ユウマの予想通り鍔迫り合いに勝ったバルハリアはユウマを斬り伏せようと突っ込んできた。受け身をとろうとして手薄になってしまったユウマはそのまま斬られてしまった。 斬られた箇所としては左胸部から腹部の右端までを斜めに…といった感じだった。斬られた勢いで蹴り飛ばされたユウマはそのまま転がってしまった。 「げほっ…血が…くそぉっ!」 「見たまえ諸君!この愚か者はこのバルハリア・ドーザが正義の名の元に粛正したぞ!」 「おおおおーーっ!」「流石生徒会長!」 …オレは死ぬのか?理不尽な小事に巻き込まれて、解決しようとして自分の実力を過信して。 オレってやっぱり…最初から… 「静まれぃ!愚か者はお前だ、バルハリア!」
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