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―その後、書庫室―
…オレは、生きてるっぽいな?さっきバルハリアって人に斬られて、血を流して倒れて…その後…
「…ん?ここどこ?え~と、ひとまず生きてたことは確認できたけど…」
ユウマは事件が収まったところで周り全てが本棚だらけの不思議な部屋で謎多き少女に手当てをしてもらっていた。
「気がついたかの?大丈夫、オヌシを襲おうなどとは思っておらんよ。」
その少女ははっきり言って誰がどう見ても小学生くらいにしか見えないような背丈で服は魔道士とも賢者とも違うような独特な服だった。
「確か…ユウマといったな、オヌシ。」
「はい…それはそうとなんでオレを助けてくれたんですか?」
「基本的にここを動くことはできんが、有事の時は別じゃ。それに、オヌシの勇気ある行動は感心したぞ。」
「そ、そうですか…とにかく、助けていただいてありがとうございます、えっと」
「ワラワはしがない物知りじゃ。名乗る名前はないぞ。」
「しがないなんて…あなたは確かにオレのことを助けてくれたじゃないですか!」
「フフ…人として当然のことをしたのに、そこまで感謝するとはのぅ。オヌシのようなヤツは初めて見たぞ。」
「あはは…ぐっ!」
「おお、あまり無理をするでないぞ。あくまでも表面治癒しかしておらん。完全には治せてないから、痛みのみはしばらくの付き合いじゃぞ?」
ユウマは一呼吸おいてそばにあったベッドらしきもので横になった。
「そういえばさっき、基本的にここを動くことはできないって言ってましたけど、それってどういうことですか?」
「……」
謎の少女の顔は少しばかり暗くなった。
「あぁ、初対面の人にすごい失礼でしたよね…」
「…ワラワにはちょいと面倒な術が施されておるのじゃ。」
「面倒な術って…一体?」
「ワラワは…ここを動くことを制限されておるのじゃ。先程のように有事の時は動けるが、平時は四六時中ここから動けん。」
謎の少女は険しいけれどもどこか悲しげな顔で言った。
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