書庫室の少女

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こんな…オレよりも年下の…この子がこんな薄暗い部屋に閉じ込められてるっていうのに、学園はそれでいいのかよ。…オレが学園長なら…自由にしてやれるかもしれないのに…だけど… 「…オレがここから連れ出してやる!」 「はぁ、オヌシ何を言っておるのじゃ!愚かにも程があるじゃろ!」 「…だって、オレよりも明らかに歳が下のあなたがこんな狭い部屋に閉じ込められてるなんてそんなこと許された話じゃないよ!」 ユウマは真剣な表情を浮かべて若干叫ぶように言った。 「ワラワのことはいい!生徒会長と合間見えた自分自身の心配をせんか!オヌシは今回の一件で彼らから目をつけられてもおかしくないのじゃぞ!」 「誰かの目なんかどうだっていい!オレはあなたの自由のために何かしたいんだ!それで学園が敵に回るなら喜んで悪役を演じる覚悟だってできてる!」 …オレは何かに縛られてる人たちを見るのが一番嫌いなんだ。オレは縛られたっていい、だけど他人の自由に手を出していいわけがない! あの子をこんな目に遭わせたヤツは誰なんだ… 「…オヌシの気持ち、十分に伝わったぞ。じゃが、もういい。可愛いワラワの生徒に悪役の布など着せれん。」 「でも……」 「そろそろ戻るのじゃ、ユウマよ。仲間たちが待っておる。」 謎の少女はユウマを地上階に送るための転移門を作り出し、優しげな笑顔で彼を見送った。 「…ホントに、ありがとうございました!」 「うむ…」 ―その後、生徒会室― 「フフ…やはり彼はすごい生徒ですね。危うく僕の方が倒れるところでしたよ。」 バルハリアは愛剣を鞘にしまい、そのまま壁にかけた。そして、ソファーに深く座り、紅茶を飲み始めた。 「そんなにすごかったんだ…ユウマって人は。」 「ああ…心器使いの見習いの身でありながら騎士養成科に所属する僕に対してあれだけの実力を見せるとは…油断なりませんねぇ。」 「…次の生徒会選挙、出馬するんですよね。彼は名乗り上げるんでしょうか?」
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