書庫室の少女

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「彼にその気は無いでしょう。ですが、王子の従兄弟という肩書きが存在している以上、政敵であるのは紛れもない事実でしょうね。」 「種なら摘んでおくかい?」 「その必要はないぞ、ラインズ。彼とはまたの機会に一戦交えたい。まぁ、彼が生きていればの話ですがね。」 ―その後、心器使い養成科教室― 「ユウマーーー!無事だったんだねぇ!」 嬉しさのあまり、ティナはユウマに飛び付いて大泣きした。 「痛ててて…治りたてだからあまり強くされると困るんだけど。」 「もう、二度と私がいるところであんなことしちゃダメだからね!」 「なるべく自重するから…いい加減離れてくれないかな。」 「あっ、ごめんねー!嬉しくてつい飛び付いちゃった!」 …オレはそんなことされるようなことをした覚えはないよ。せいぜい生徒会長に無理この上ない試合的なことをして完膚なきまでに叩きのめされたくらいだよ… 「にしても、先程のお前、なかなかにかっこ良かったぞ。」 「……………カーイーンー(怒)」 「なっ、どどどどうしたんだユウマ?」 「戻ってきて早々お前はオレを労いもせずにからかうってか!表出ろぉ!」 「おぉ、悪い悪い。まぁ、無事でホントに何よりだ。だが、お前は生徒会長に目をつけられてしまったな。」 「いいよ…なんかあの人、裏がありそうな感じだったし。いずれ剣を交えるかも知れなかったし、小手調べとしても今回の件は良かったと言える!」 …あの書庫室にいた女の子、明らかにこの学園に関する何かを知ってそうな感じだった。次に会う機会があれば、生徒会長のこととか、みんなが噂してる〈心器使い養成科と騎士養成科の生徒は犬猿の仲〉って言われるようになった原因に関する情報を聞き出してみよう。 「さて、事も収まったことだ。疲れを癒すためにも部屋に戻ろう。」 ~予告~ この不思議な世界に来てもうすぐ2ヶ月が経とうとしていた。生徒会長バルハリアは騎士養成科のとある生徒を自分の右腕に加えて… 次回〈漆黒の呪剣〉
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