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カインはお手洗いから戻り、何やら震えている二人を見て不思議そうに質問した。
「「お化けが出たんだよー!」」
「何ぃぃぃ!おおおおおお落ち着け!そそそそそ、そぉんな物が…」
…え?ちょっと待って、カイン。お前もしかしてお化け完全にダメな人?王家の一人息子だからかな?
「私見たもん!そのせいで昨日寝れなかったもん!」
…おっとティナさん、それ言われてもオレは「そうなんだ」しか返せる言葉ないってことに気づいてますかね?
「ととととにかく、せせせ先生に……ほほほ報告を…」
カインは完全に全身が震えてしまっていたのもあり、言葉が完全にガチガチになっていた。
「カイン、ひとまず深呼吸しよう!この件についてはオレが何とかしてみるから、二人は安心してよ!」
「お、お前に丸投げしていいというのか?」
「お前そんな様子じゃまともに調べることなんて出来っこないだろ?」
「め、面目ない…恩に着るぞ、ユウマ!」
…心底嬉しそうな顔してんなぁ、カインさん。最初から「幽霊怖いよ」宣言しとけばよかっただろ。
―生徒会室―
シアンは朝早くに生徒会長直々に呼び出され、生徒会室に来ていた。何でも渡したいものがあるとのことだった。
「私をこんな早朝に呼び出しとはどういったご用件でしょうか、会長。」
「悪かったね、シアン君。君を呼び出したのは君にプレゼントがあるからだよ。」
バルハリアは空中で浮いている黒い剣を手に取り、そのままシアンに見せた。
「こっ、これは一体…!?」
「それを聞いてはなりませんよ、シアン君。騎士養成科のエリートと呼ばれる君にだからこれを送るのです。」
「…お言葉ですが、私は力を欲しているわけではありません!それに、出所も分からない物を受けとるわけにはいきません!」
シアンは腰に帯刀していた剣を引き抜き、そのままバルハリアを睨み付けた。
「やけに殺気だっていますね…では仕方がない。力の恐ろしさと美しさを見せて差し上げましょう!」
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