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―その頃、地下書庫室―
…まさか、庭園の銅像の台座がが地下書庫室の隠し扉になってたとは。これまたすごいものを見つけてしまったな、我ながら。
「のこのこ入ってくるなという約束を忘れたのか、オヌシは!」
「すいません…てか、さっきから何探してるんですか?」
「…盗まれてしまったのかもな。」
「え?盗まれたって、何が?」
「うむ…今朝から〈漆黒の呪剣ジェイード〉がなくなっていてな…」
剣…今朝教室でティナから聞いた宙に浮いた長細い何かって話と関係ありそう…今朝から消えたっていう共通点から察するに盗難なのは確定してる…なら後は犯人をあぶり出して取っ捕まえるだけか!
「その剣ってどんな性質を持ってるとか、分かりますか?」
「あれはワラワが死力を尽くして封印した剣でな…何でも所持者に血肉を求めさせる一種の洗脳効果があるのじゃ。たとえ眼前にその姿が見えても触れてはならんというわけじゃ。」
「…封印したっていうなら、誰かが解いちゃったってことになりますよ!」
「ワラワが引っ掛かるのはそこじゃよ、ユウマ。ワラワが動けぬことを知るオヌシにあの剣を破壊してほしい!」
…確かに、こんな恐ろしいものが学園の地下に眠ってたって公になったらヤバいじゃ済まない!
「分かりました。できるだけ破壊するようにはしますけど、確実に壊せない方が大きいので、過度な期待はしないでください。」
「ワラワもあれにつけた探知魔法と連絡魔法を組み合わせてオヌシのフォローに回るぞい!」
「ありがとうございます!それじゃあ、行ってきます!」
「気を付けるのじゃぞ!」
…ワラワしか解けぬ術を、誰がどう解いたというのじゃ?ワラワ以外に解除魔法を使える者は生徒会にしかおらんはずじゃが…まさか、バルハリア《あの男》が?
―修練場―
バルハリアからのプレゼントを拒んだシアンはそのまま彼の転移魔法で修練場まで飛ばされ、今まさに剣の立ち合いが始まろうとしていた。
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