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―その頃、昼放課の食堂―
「で、何か分かったのか?」
「いや、手がかりとかそういうの一切ないからさ…探そうにも無理すぎて話にならないんだよ。」
「お願いだから早く解決してよー!ユウマが解決してくれなきゃ安心して寝られないよー!」
…寝られないのはお前だけじゃないぞ、なんて言える状況でもない。ただ一つ分かったのは、明らかにこれが盗難だってこと。これから膨らませられることといったら犯人は誰なのかとかどんな巧妙な手口を使ったのか…ってところだよな。
「きゃーーー!」「助けてくれぇぇ!」
修練場付近の広場からいくつもの悲鳴が聞こえてきた。どうやら、誰かが剣を振り回しているそうだった。
「オレいってくるよ!大丈夫、すぐ終わらせてくるからさ!」
ユウマはその後に「修練場に忘れ物しちゃったから取りに行く」という時間割的にも大ウソをついて声のする方へ向かった。
―広場―
「………これマジかよ。何でこんなことに…?」
ユウマが広場で見たのは血を流して倒れている人の山だった。先生、生徒が混じっており皆顔色が悪かった。
さらに、そのすぐ近くに全身黒甲冑の騎士が立っていた。その手にはユウマや謎の少女が探していた漆黒の呪剣ジェイードが握られていた。
「どうだい、学園が混乱する事件を生で見た感じは。」
「バルハリア先輩…どうしてここに?それにこの状況を作ったのって?」
「そう…僕だよ。正確には、そこにいる僕のお人形ちゃんがやったんだよねぇ。」
バルハリアの嬉しそうなしゃべり方にユウマは強く歯を食い縛った。
「いくら学園の…生徒の頂点たる人でも…日常を脅かすことをしていいわけないだろ!」
「黙りなさい!まぁ、僕はこの辺で去るよ。それじゃ、後はよろしくね…お人形ちゃん♪」
~予告~
学園に現れた黒甲冑の騎士。その手に握られた剣は主・バルハリアの敵であるオレに牙を剥く。
そしてオレは…『未来の自分』と邂逅する。
次回〈未来からの伝言〉
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