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「あんな人に捧げる首なんてないよ!むしろ、今オレがやるべきことは…君が持ってるその剣の破壊だ!」
「そんな貧弱な剣で私の剣を打ち破れるとでも思ったのですか?」
「悪いけど…最初からそのつもりで君と戦ってるつもりなんだけど?」
…意識があるうちに破壊しなきゃ、この感じだと最悪武器に精神食われてお陀仏だぞこれ。こうなれば最終手段・ヤケクソだぁぁ!
キィィィィン
「…ついに自我を捨てるという行為に出ましたか。せっかく期待していたのに、残念です。」
「そうかい…例え片手が動かなくても!」
グググ…
「昔の古傷が開こうとも!」
ギリリリ…
「これは人様から依頼されたこと…約束なんだ!何がなんでも完遂させるからな!」
なんと、ユウマの剣が黄色に光輝き、そのまま騎士の魔剣を押し返した。しかし、この一撃だけでその剣はあっさりと折れてしまった。
それでも、折れた際に発生した余剰の属性粒子による衝撃波で二人とも大きく吹き飛んだ。
「壁に勢いよく飛ばされたせいであちこち本気で傷だらけだ…きっとティナにこんな姿見られたら怒られるだろうな。」
「……なるほど、それが君の今できる最善というわけか。」
ユウマは今制服だったため、壁に激突した際にめり込んでしまいほとんど動けなかった。しかし、騎士の方は鎧がある程度ダメージを緩和していたこともあり、壁に激突後すぐに体勢を元通りにできていた。
騎士はそのこの世に存在するどの黒よりも黒い剣をギラリと光らせ、そしてそれを引きずりながら一歩ずつユウマに近づいてきた。
それはユウマへの〈死の宣告〉みたいなものだった。
「では、その首貰い受ける!」
「……っ、動けぇぇぇぇ!!!!!」
ユウマの渾身の叫び声に合わせるかのように彼の体から琥珀色の光が溢れだした。
すると、その光は虎のような姿になり、騎士を軽く攻撃するとハルバードみたいな形に変化してユウマの目の前に浮いた状態で可視化した。
「…使えってことでいいのか?」
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