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ハルバードは静かに光を放ち、自身をユウマの右手に握らせた。
「…なんか、心なしか体が軽くなった気がする！それに左手も動かせれる！」
「…諦めなさい！」「嫌だね！」
ユウマはハルバードをかなり大振りで振り回し、騎士を体ごと大きく後ろに突き飛ばした。
「このまま一気に形勢逆転させてもらうよ、騎士さん！うおおおおおおお！」
ユウマは軽くなった体を最大限に活かしながら連続攻撃を仕掛けた。先ほどまでは圧されていたユウマだったが今となってはもう互角まできていた。
「ぐっ…やはり見くびっていたのは私の方か。」
「君が見くびっていようがいまいがオレには関係ない！オレは…今のオレは誰にも負けない気がするだけだ！」
ユウマは攻撃の手を緩めることなくただ目の前の敵を叩きのめすことに集中し出した。何かに集中したときのユウマのスピードは他の追随を許さなかった。
「…我が主のために！」
「君の主はただ頭おかしいだけの人だ！そんな人についていこうだなんて、どうかしてるよ！」
ついにユウマは騎士の体勢を大きく崩すことに成功した。
「覚えたばっかのこれを試してやるぜ…」
ユウマは自分の正面にハルバードを構え、それに向かってゆっくりと自分の『心』を乗せ始めた。これこそが心器使いの本領であり、一時的に武器を強化することができるのだ。
「…忌ま忌ましい武器使い、我が主の敵！敵は私が倒す！」
「行けやぁぁ！」
ユウマの心を乗せたハルバードは騎士めがけて真っ直ぐ飛んでいった。というよりはユウマ自身が全力で投げたという表現の方が正しかった。
八つ裂き光輪のようになりながらハルバードは騎士の持つ魔剣に当たり、そのまま跳ね返ってブーメランの要領でユウマの手元に戻ってきた。
「………申し訳ありません、我が主！」
「ごちゃごちゃうるさいよ、君。悪いけど、オレは超機嫌が悪くなったんだ…今度こそ終わりだぁ！」
ユウマがハルバードをブンと振ると、ガラスが割れるような音を立てて魔剣が砕け散った。
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