未来からの伝言

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―謎の世界― 「ここは……どこだ?さっきまでオレは寮に居たはずじゃ?」 『ようこそ、過去の俺。ここはお前が生きている時間よりも未来の時間だ。』 「ええっ、つまりアンタは未来のオレ?」 『その通りだ。ここはこれから大きな争いが起こる。俺はその争いで勝者にならねばならん。』 「アンタがそれに勝つこととオレをここに連れてきたことのどこに関連性があるんだよ!」 『争いが起こり、仮に俺が破れたならお前は存在できなくなる。そうなる前にこの時間を生きる俺がお前と存在を共有するということだ。』 「存在を共有って…まさかオレを取り込むつもり?それは勘弁してくれ!」 『俺は神としての力が不足している。これでお前を取り込む口実になる。』 「どう考えたってそんなことおかしいって!」 『この争いはお前がもと居た時間さえも根幹から覆かねないみたいだ…これまで通りの平穏がこのあとの戦いに委ねられていると聞いても同じように返せるか?』 「………っ。」 確かに、その戦いで過去まで変わるなら…未来の自分の言葉なら信じられる。 「分かった。アンタに協力するよ。だけど、オレはあくまでも未来の自分にこれからを任せるだけだよ!」 『…話が早くて助かったぞ。では、その意見に免じて、お前の魂を〈お前がいるべき世界〉へと戻してやろう。』 未来の自分はそう言うと即座にオレを肉体と魂に分け、肉体の方を取り込んだ。そして、魂の方は不思議なゲートを潜らせ、どこかへと飛ばした。 『………。』 未来のユウマはそれまでは竜人のような姿をしていたが、現代のユウマを取り込んだことで少年の姿になった。 「これで準備は整った…後は一思いに暴れまくるだけだ。行くぞぉぉぉ!」 『戦う前から全力とは、中々いないよ、そんな神様は。』 「何事も順序ってヤツだよ、ライギリ。お前にはあんまり縁がないか、この言葉は。」 『…何にせよ、我はこの刀の疼きが収まるまでは戦いをやめようなどとは思わんよ。』 ~続く~
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