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「いいから聞けぇーーーー!」
―その後―
「なるほどね…地上界にあるルドたちの祭壇が壊されてるから厳重警戒を怠らないでね…と。」
「そういうことだ!分かってくれてありがとな、フェシー!」
ルドラスは喜びのあまり、フェシーに顔を近づけた。
「顔が近いわよ、ルド!アンタって調子いいとすぐそうするわよね!」
バキッ
「い、以後自重しますのでお許しを…」
「とにかく私は私のできることを精一杯するつもりよ。ただ、アンタもアンタで気を付けてよ。私の紅茶飲みに来てくれる客が減るから。」
「最初から無理する気はないので、そこんところよろしく。」
ルドラスはフェシーの淹れた紅茶を飲みきると足早に家を出て次の目的地へと向かった。
「ホント、アンタっていい意味でも悪い意味でも自由よね…」
―ディヴァインス王国・王城の王座の間―
…一番入りづらい場所だけど、ここが機能止めたらシャレにならないからねー。
「国王陛下、お久しぶりですね。」
「おお、これはこれはルドラス殿ではないか。今日は一体何の用でございますかな?」
「最近、俺たちが地上界に降りる時に使う祭壇が壊されてるのを聞いてさ…俺のやつはよっぽどのことがない限り壊されることはないけど、ここの隣国にある祭壇は場所的に狙われたらアウトだ。だから…無理にとは言わないけど、今のうちから他国と共同戦線を張ることを勧めておくよ。」
「なんと…神々が使われる祭壇にそんなことが…ならば、ここは私が全力を尽くさねばならんようだな!カインにも協力を仰いでおこう。」
「それは助かったぜ、陛下!」
―その頃、謎の空間―
「やれやれ…神々の皆さんが動き出してしまいましたか。となれば、私たちもこのままというわけには行かないみたいですねぇ…」
全身を純白のメタルローブで包んだ王・バァルは玉座に座りながら水晶に写し出された現世の様子を見ていた。その表情はどこか退屈そうだった。
「バァルが焦るだなんて珍しいじゃないか。」
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