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乳白色の不気味な装飾が目をひく鎧を着た悪魔キマリアは彼の性格通りの軽い口調で言った。
「ちょっかいのつもりが、少し度が過ぎたらしいね…キマリア、ダンタリオと共にまずは『魔法の谷』を潰してきなさい。」
「ダンタリオとオレが!まぁいい、アイツは暴れたがりやだからなぁ。」
キマリアは少々呆れたように笑いながらその場を去った。
ダンタリオは別名『血甲の魔闘士』とも言われる悪魔の一人で、異名の通り常に戦いに飢えた困った性格の持ち主でもある。
―謎の空間・廊下―
廊下にはグシオーンという上裸の筋肉質な体を持つ悪魔が壁にもたれ掛かっていた。
「キマリア、行くのか。」
「グシオーンか。そうだ…バァルからのお達しでね。」
「フン…せいぜいしくじらないようにな。」
「お前のような脳筋に言われる筋合いはない!」
「久々に暴れられるのか…準備運動で国ひとつ滅ぼしていいとか神かよアイツ!」
ダンタリオは拳をガンガンと打ち鳴らした。
―覇王城メルティ―
「やっほー、イグニス。野武士面拝みに来てやったぞ!」
ルドラスの数少ない他種族の友人、イグニス。彼は火山都市に城を建てた覇王で、ルドラス同様爆砕魔法を得意としていた。
「だぁれが野ぉ武士面だゴラァ!相っ変わらず無愛想なやぁつだなぁ!」
イグニスは何か喋るときには必ずと言っていいほど巻き舌になる。かなり渋い声で巻き舌なんてされたらさすがの俺でも腹に来る…
「こっちにはまだ被害ないみたいだな!」
「あぁたり前よぉ!こぉちとら名前だけの覇王なんかじゃぁねぇからよぉ!」
…あっ、そ!心配した俺がバカになる前に何か言ってやるか。
「これから地上界を中心に大規模な戦闘が行われるみたいなんだ。出来ればでいい、イグニスも警戒しててほしい!」
「おぉ、任ぁせときなって!おぉれたちはダチだからなぁ!」
…ホントコイツ喋り方どうにかならないの?
「じゃ、話すことな話したし、お暇するよ!」
「おぉ、まぁた来いってもんだぁ!」
―下に続く―
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