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ウォーオブゴッド 下
オレはその後も各地を回り、できる限りの警告をした。だけど、そんな警告が実を結ぶはずもなく、しばらくして戦争が始まってしまった。
―天界・広場―
「来たか、ルドラス!随分と長かったみたいだからまた過激派にやられたのかって思ってしまったじゃないか!」
「縁起でもないこと言うな!…始まっちゃったな、戦争が。」
「はい…残念ながら、祭壇はルドラス以外は全て破壊されたのを確認しました。よって、私たちは地上の者たちに加護を与えるどころか、援護すらもできなくなりました。」
シャルハダーはいつものような冷淡な口調で言ったが、その顔はどこか悔しさと悲しさに満ちていた。
「けどよ…こんなときにオレらを攻められるのって悪魔かドラゴンかだろ?」
グロードもやや真っ青になりながら震え声で言った。
「今回のこの件は…悪魔でもドラゴンでもありません。これは私の推測ですが、私たちと同じ立場の者による反抗みたいなものだと思います。何にせよ、このままではコネクティアースに甚大な被害が出ます。迅速な対応をしましょう。」
「「戦う以外に対処手段ないだろ!」」
普段はもめることの多いライギリとグロードが珍しく声を揃えてツッコんだ。
「…同じ立場なら話だって通じるはずだ!戦いが避けられないのはオレも分かってる。だからこそ、話し合いだって必要だ!」
「ルドラスの言う通りです…向こうが仕掛けてきた喧嘩に私たちが乗ってしまえば思うツボ後袋叩きにされるでしょう。」
「地上のヤツらが心配なんだよ!シャルハダー、水晶とかないか?」
グロードは誰よりも地上の戦士たちを愛している。だから自分を武の神とすることで圧倒的な存在になった。
だから助けたいって気持ちはオレにもよく分かる。だけど、たまには手を引くときも必要だ…なんてアイツに言えるわけないよ。
あそこまで焦って取り乱す位だから…これ以上混乱させるのは可哀想だよな。
「今は落ち着こう、グロード。たまには見守ってみなよ。」
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