ウォーオブゴッド 下

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―地上界・ディヴァインス王国― 「父上、私を呼び出して何のご用ですか?」 「急な呼び出し誠にすまない…だが、心して聞け、カインよ。…隣国が白い翼の悪魔たちに奇襲されたと情報が入った。そこで我らも出陣することにした。」 「父上、その件…私も同行させてはもらえませんか!」 「カイン…よかろう、私のお下がりではあるが装備を整えなさい。何でも隣国は雪国だ。迂闊に火が使えんから、重々気を付けるのだぞ。」 「はい、ありがとうございます、父上。」 君も来るのか…ルドラス。しばらく会っていないから忘れられたのではと不安なのだ…戦場で再開したならば背を預け合い、共に戦おう! ―その後、王城の正門― 「国王陛下並びに皇太子殿の武運が良き方へ進むのを祈って!」 「うむ…参ろうか、火の粉飛び交う戦乱の地へ!」 「「おおーっ!」」 馬に乗った騎士たち…王宮騎士団は勇ましい声と共に一斉に駆け出した。 ―謎の空間― 「フフ…やっと国共が動き出しましたか。では、ダンタリオのことも多少は気にかかるので私も向かいましょうか。」 バァルは玉座から立ち上がると白いオーラを発しながら、ゆっくりと進み、城を後にした。 ―隣国・シュゲール― シュゲールはかつてのような綺麗な街ではなく、完全に魔物が我が物顔で暴れまわる街に変わり果てていた。 「父上、あれは!」 カインの目と鼻の先には天魔族の騎士・ウヴァーがいた。白い翼や角を持っていながら、着ている甲冑は吸い込まれそうな黒を称えていた。 「待ちくたびれたぞ、人間の騎士共よ!いつまで余を待たすつもりか!」 「…貴様こそ、なぜ無抵抗の街に手を出したというか!」 カインの父・ディチャードは怒り混じり、悲しみ混じりで叫んだ。 「上からの命は絶対だ。弱者は時代の波や強者によって蹂躙されるのが世の運命(さだめ)。人間よ、悪く思うな!」 ウヴァーは肩にかけていた黒光りする槍を構え、国王めがけて突っ込んできた。
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