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「まぁいいですよ…祭壇は壊してきたばかりなので。後はあの御方が来るのを待つだけさ。」
「あの御方?まさか…彼はまだ生きているというの?」
「全く…あなたほど察しの早い人は嫌いですよ。…では、失礼させてもらいますよ。」
「待ちなさい、キマリア!私に事情を話して!私だって悪魔よ、知る権利はあるわ!」
「…その必要はないと言いませんでしたか?聞き分けの無い女は嫌われますよ、カーナ。」
「あなたのそういうところ、嫌いなのよ。だから…私が逝かせてあげるわ、あなたの望む楽園に!はぁぁっ!」
カーナはステッキをキマリアの方に向けると、無詠唱で先程ダンタリオを倒した魔法を発動し、同じように彼を倒した。
―シュゲール・中央区―
「ははは、なかなか楽しませてもらった!我は満足この上ないぞ!」
グシオーンは息切れを起こしながらもとても満足そうに笑っていた。
「グシオーン殿、引き返す気にはならんかな?」
「天魔と言えど我は騎士だ。良かろう、そもそも我らに与えられた任はとうに済んでいる。引き返す理由にはなるな。」
グシオーンは部下たちを引き連れ、後退していった。
―その後、魔法の谷の集落―
ダンタリオ、キマリアが倒れたものの、それと入れ違いで最悪の存在がその姿を現していた。
そう…この世で最も神に近い存在にして天魔族の長・バァルだ。
神が纏うような白いローブを着たその姿は端から見れば神と間違われるような雰囲気に満ちていた。
もちろんカーナも存在自体は知っていたが、実際に顔を合わせたのはこれが初だった。
「初めまして、カーナ。あなたもずいぶんと老けましたね。」
「悪魔と言えど年を取れば自然とそうなるものよ。それに、何の用かしら?ここにいる人たちを傷つけようって言うなら、容赦はしないわよ。」
「…まぁいいですよ。私はまもなく神としてこの地に立つ存在…その歴史ある瞬間を見届けさせてから、楽にしてあげますよカーナ。」
バァルは地上に足をつけるとローブを軽く翻し、カーナを睨み付けた。
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