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不仲と暴走
毎度お馴染み、どうも皆さん…マイスのあらすじの時間です。さて、前回はユウマくんが王子カインの従兄弟という名義で無条件入学を果たし、さらに心器使い養成科へと進んだところで話が終わりましたね。
今回からはそんなユウマくんの学園生活が大きく変わるきっかけとなった事件を…あれ、白紙になっていますね、ここは。
―修練場―
あれからオレは大慌てで剣を引っこ抜き、鞘にしまった。そして、今まさに証拠隠滅もかねて足早に部屋に戻ろうとしていた。
「めり込んだのが少しだけでホントに良かった…ガッツリめり込んでたら朝礼前に皆が来てオレに『器物破損者』のレッテルをバシンと貼り付けられること請け合いだよ!」
「何を騒いでいるのですか、同級生くん。」
仮面をつけた水色の髪の少女は修練場の階段を上っていたユウマに話しかけてきた。その声はなかなかに鋭かった。
「えぇっと…あはははは…じゃあオレはこれで!」
ガシッ
「待ちなさい!今ここで何をしていたんですか?私にだけでもいいので教えてください!」
「なっ、オレはただ朝早く起きて少しでも剣の練習をってだけで…」
「…なるほど。そうでしたか。顔を洗っていたら修練場の方から声がしたので、何かあったのかと思い行ってみたのですが、そういうことなら無理ありませんね。」
「じゃあその手離してくれる?オレはこれから部屋に戻るんだけど!」
「そういうわけにはいきません!剣の練習をしていたのなら、この私も加えてほしいのです!」
「えぇっ、今すぐは無理だって!」
「今すぐでなくても構いません!あなたが何科所属かは知りません…ですがいずれあなたとは一戦交えたいです。」
仮面の少女はそう言い終わるとユウマの肩をつかんでいた手を離し、そのまま自分の寮へと帰っていった。
「…………何かとびきり面倒なことを頼まれたような気がしてならないんだけど。」
ユウマも朝から疲れがどっぷりたまったこともあり、自分の部屋によろよろしながら戻って再び寝ることにした。
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