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書庫室の少女
さて、この物語も早いもので序盤の折り返しです。私としては何回でも話したいのですが、天の導きではあと三回ほど…
おっと、私情が入り、申し訳ない。王立学園にて心器使い養成科の生徒として日々を過ごしているユウマくんでしたが、やはり主役あるところに悪しき展開あり…とんだ災難に見回れましたとさ。
―体育館―
「お前ら、やめろって!式の途中でこんなことして恥ずかしくないのかよ!」
ガギィィィン…
「お前だって、オレらのこと見下してんだろ!魔法使いは遠距離しか出来ないとか思ってんじゃねぇのか!」
「しまっ…」
ユウマは魔法使い養成科の生徒たちの杖から放たれた炎の魔法をゼロ距離で受けたため、後ろに大きく吹き飛ばされた。
「騎士養成科がエリート?んなわけねぇよ!エリートってのをいい理由にやりたい放題じゃないか!」
完全に混沌とした体育館…オレはこの状況を一言で表すとしたら〈四面楚歌〉というだろう…ってか、誰が敵で誰が味方とかそんなの判別できないし…
「…フハハハハ!待たせたなぁ、可愛い我が校の新入生諸君!この生徒会長バルハリア・ドーザが騒がしきお前たちに処罰を与えに来たぞ!」
バルハリアの登場で周りの生徒たちは一時的に攻撃の手を止め、彼の方を見つめた。バルハリアからはただ者ではないオーラが出ているようだった。
「バルハリア…ドーザ。生徒会長の登場ならオレの出る幕はここまでかな?」
「そこで勇敢に剣を振っていた少年、いきなりで申し訳ないが、名乗り出てくれるか?」
「オレはユウマです。今年から心器使い養成科に所属することになりました!」
「ユウマ…ということは、キミはカイン王子の従兄弟か。ならば…」
バルハリアは顔色を変えたかと思うと、何の前触れも無しにユウマの背後に迫り、喉元に剣を添えていた。
「少々僕にとって邪魔な存在になるわけだ。」
バルハリアが出していたオーラの正体、それはこの場所にいるであろうユウマへの殺意だった。
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