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漆黒の呪剣
さて、一時的とはいえ…学園は大荒れになりましたね。
おっと、事後整理に気を取られみなさんに話す時間がなくなるところでした。ユウマくんは前回、王立学園内で起きた騒乱をどうにかしようと奮戦し、その結果生徒会長バルハリアに目をつけられることになった…
ん~…これはまたとんでもないことですよ、全く。私情はさておき、とにかく彼には災難の嵐が待っていると予言しておきましょうかね。
―騎士養成科女子寮・とある部屋―
…あの少年の剣技、やけに様になっていました。少々乱れはあるが、決して私たち騎士養成科の生徒のそれに引けを取らないかもしれません。
「ん?どうしたの、シアン?何か考え事でもあるの?」
「あっ、いえ…この前の騒動のことを少し振り返っていただけですよ。」
「へぇ、ウチはよく見えてなかったから分かんないけど、生徒会長がわざわざ顔出す事態になっちゃったからね…」
「あの少年の剣技…前にも言いましたが、やはりどこかで見覚えがあるんですよ。」
「はぁ…シアンは寝ても覚めても剣の相手に飢えてるねぇ…」
シアンと同室で彼女の親友のラーティは少々呆れ顔で苦笑いした。
「私は…一日一時間一分一秒も無駄にしたくないですから。」
「真面目なのか、バカなのか…何ともまぁ、脳筋主義もいいところよ…」
―心器使い養成科教室―
「はぁ…眠いよぉ、ユウマぁ。」
ティナは目に女の子らしからぬ隈を浮かべて、いつものような元気らしさはどこへやらという感じの雰囲気で教室に入ってきた。
「すごい隈じゃん、ティナ。一体何があったっていうんだ?」
「あのねユウマ…私見ちゃったの…書庫室から黒い長細い何かが生徒会室に向かって空中を移動するところを!」
…なななななななな何だってぇ!何そのお化けチックなヤツ!朝っぱらから心臓に来るものがあるって!別に怖いわけではないけどさ…
「おい…朝から二人してどうした?まさか…お化けでも出たわけじゃあるまいな?」
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