1479人が本棚に入れています
本棚に追加
照れ隠しなのか、はにかむみたいに笑ってる。そんな結弦を見ていたら、それもいいかなって思える。
「うちの父、厳しい方よ」
「何度でもお願いしに行くよ」
「過保護な兄もいるの」
「來斗さん、だっけ。合わせて覚悟しとくよ」
母が今の父と再婚をして、私には兄ができた。父が経営する会社を継ぐために忙しく働いてる來斗は、ちょっと躊躇うほど優しい兄。
「紗羅、俺と結婚しよう」
くりっと大きな瞳に、柔らかな前髪がかかる。学生時代から寄り添う様にそばにいてくれた結弦。
「私でよかったら」
「マジで、すっげぇ嬉しい」
亜城 結弦
吸い込まれそうな透き通る青い空がガラス張りの向こうに広がる中、結弦のプロポーズを受け入れた。
最初のコメントを投稿しよう!