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静かなリビングにコールが鳴り響く。
來斗の携帯電話がテーブルの上に置かれたままになっている。コールは一度切れて、再び鳴り出した。
佐伯 愁仁
画面に表示された名前に聞き覚えがある。たぶん來斗の仕事関係の相手から。
携帯を拾い上げて画面を見ていたら、コールが切れた。二度も掛かって来たんだもの、もしかしたら大事な用かもしれない。
おかしく無いよね? 來斗の別棟に届ける理由を見つけた。少しだけ緊張をしてしまうけど、滅多に行けない別棟に行ける。
ドキドキする―― 庭に出て石畳を抜けたらすぐの別棟へ。平屋造りの家の前で扉をノックした。
「來兄、いないの?」
ガレージにある來斗の車を目で確認する。置かれているから部屋には居るはず。
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