ホンモノ

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「……理雄、何かあった?」 しっかりとした口調だった。 質問してるけど、してないみたいな。 俺は短く「ない」とだけ言った。 視線は合わせず、机の上で適当に勉強をやる。 そうだ、俺には宿題が沢山あるんだ。 こんなヤツと話してる暇なんてない。 鉛筆を手にとって、いざ宿題をしようと思ったその時、肩にポンと手が置かれた。 振り向くと、美奈子さんの顔がそこにある。 「あったよね」 さっきより真剣な言い方だった。
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