ホンモノ

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「ねぇよ」 「いーや、それはある顔だね」 どんな顔だよ。 「本当にねぇから」 赤の他人に話して、一体何になると言うんだ? 親戚でもないのに。 真優にとったら従姉でも、血の繋がってない俺は只の他人だ。 「あったでしょ。話してみ? 吐き出したら楽になれるよ」 美奈子さんは、俺の後ろにあるソファに腰掛けながらそう言った。 もう、否定しても通じなさそうだ。
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