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「……出て行けよ。次は容赦しない」
「理雄はよっぽど辛い想いしたんだね。偉いよ、よく頑張った。泣きたいのに、男だから泣けなかったんだよね、立派だと思うよ」
「だから何だよ」
ぶっきらぼうにそう返すと、コイツはゆっくりと歩み寄って来てそっと、俺の肩に手を置いた。
そして、目線を合わせて「だからね、」で一回言葉を区切る。
「もう、頑張らなくていいんだよ」
その言葉は、俺の胸に深く深く突き刺さった。
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