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私の怒声に、その生徒達全員がその動きを止めた。緩められた腕から、はるみんの体がスルリと抜ける。
ヘタッ、とその場に力なく倒れるはるみん。
ハァ、ハァ、とそこに手を突きながら荒くなった息を調えてる。
私は静かに、彼女の正面まで行ってしゃがんだ。目線を合わせて、手を差し伸べる。
はるみんはそれを見てビクッとさせながら後退るけど構わない。
私は、私が正しいと思った事をやるだけだ。
「酷い事してゴメン。私、間違ってた……虐められる辛さは誰よりも分かってたハズなのに、見てみぬフリしてた。これからはもうそんな事はしない……だって、友達なんだもん。周りが何を言おうと」
お人好しって言われても良い。
これが私なんだから。
泣き虫で、弱くて、でも正義感が強くて。
困ったり悩んだり辛い想いをしてる人を放っておけないお人好し。
それが私、中山万里って言う人間なんだから。
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