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神が答えを与えてくれぬまま、その日はやってきた。ウェインが3日前に処刑され、チャールズの執行もまもなくだろうと、看守たちは身構えていた。
死のガスを彼に浴びせるのは、ローレンスの役目だと移送時から決定されていた。特に意味はなく、単なる持ち回りの順番だ。8月にやってきてから5ヶ月経ち、新年を迎えてすぐのことであった。
最後のクリスマスは、チャールズの希望でローレンスのアパートで過ごすことができた。逃走の恐れがないからと出された特例だが、その特例が彼の刑罰に適応されないのは、やはり不思議だった。しかし彼同様に家族のないローレンスには、アルも招いて3人だけで過ごしたこのクリスマスが、人生でもっとも温かく幸せな時間であった。彼の得られなかったすべてを充たし、そして完成させるかのように、ローレンスとアルは彼が眠るまでずっとそばに寄り添い、家族同然に過ごした。ここにジョンが来れないことが不思議であったようだが、明日また会えると言うと、彼は安心したように眠りについた。
「ジョンには毎日会いたい。ローレンスにも」
「僕は毎日会ってるだろ」
「これからもずっとだよ」
「…会えるよ。これからもずっと僕たちは友達だ」
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