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周囲を確かめてからそっとその傘を開く。
「わ…」
ネイビーにワンポイントが入っただけの無地の傘だったのに、内側は、晴れた日の青空のような色に染められていた。
肩に乗せてくるりと回してみる。
スカイブルーの空間は、瞬く間にじめじめした梅雨から大好きな夏に連れていってくれた。太陽の後押しさえ感じられそうな空に包まれているとほんとに勇気が出そうな気がしてきた。
「明日も朝から雨みたいですね」
いつもならテンションが下がるようなお天気の話題なのに、私は満面の笑みで店員さんにうなづいた。
会計の済んだ傘を抱きしめると、今にも降り出しそうな空の下を小走りで家に向かった。
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