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寝室に入ると、結愛がぐっすりと眠っていた。寝顔が本当に可愛い。
優しい表情で結愛を見る花野の肩を、義隆が静かに抱いてきた。
「僕たちも寝ようか」
思わず彼を見あげた。抱いてくるかと思った。
「何もしないよ。花野が嫌がることは絶対しないから。今日は疲れたよね。早く休もう」
頷いてベッドに入った。本当に、義隆は花野に寄り添う以上のことはしなかった。
翌朝、花野が同じ部屋にいると気づいた結愛が大喜びで、三人は休みなのに、少し早く起きることになった。
日曜日は近所に買い物に行く程度で、後はのんびりした。その時間で花野は義隆との関係を考え始めていた。
愛情だけで交際していた時とは違う。
でも、愛情は無視できない。同情で結婚するのが良くない程度は分かる。その感情では長く続かないだろう。
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