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かすみは休職すると、それほど経たずに男の子を出産した。
すぐに会いに行った花野は驚いた。
夫の直弥にそっくりな子供だからだ。
目元だけ、微かにかすみの面影はあるが、直弥の息子とすぐに分かる。息子を見るかすみはとても幸せそうだ。
妊娠の経緯を思えば、かすみが喜ぶのは当たり前。花野も嬉しかった。
そのことを話すと、義隆も嬉しそうだった。
彼とかすみは大学の先輩後輩。学部も同じだったから、相当可愛がっていたようだ。その彼女が無事に出産したと知れば安心だろう。
「そっか、生まれたんだ。男の子か……事情は聞いてるから良かった。
石川……かすみちゃんに似なかったんだ。彼女に似たら可愛らしくなりそうだけどね」
ここまで言って義隆は笑った。
「男の子が可愛かったら問題か。
花野も会いに行きたいんでしょ」
「うん。本家に住むから結構、窮屈そうだから」
婚家と友人は上手くいっていると聞いた。でも、格差は大きいし他人でもある。自分が行くことで、時々は息抜きをしてもらいたい。
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