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「分かったよ。
こっちも家事をまとめてしてるから大丈夫。花野が来れる時に来るでいいから。連絡だけもらえれば。
結愛ががっかりするからね。いきなり中止になると」
「うん、分かった。きちんとするから」
花野が返すと、義隆の瞳が光った。
「よろしくね。これで、話は終わりだよね」
言いながら、義隆は花野の服を脱がせだした。
寝室には結愛が寝ている。さすがに、自分たちのベッドとはいっても使いづらい。
なので、客室に行くようになった。
父子二人なので部屋は余っていた。義隆の家族が上京した時や、友人が泊まるためにある程度の家具は揃っている。
義隆はキスをしながら下着も外していく。花野から甘い声が零れた。
激しい時間が過ぎて義隆の身体が離れると、花野は荒い息を整えるように何度も深呼吸した。
後処理を終えた彼が花野の身体を包んでくる。
寝室に戻るまでの短い触れ合いの時間だ。でも、花野は昔のような長い髪ではないので、その感触を楽しめない。いつも少し寂しそうだ。
花野は、義隆との関係をやり直し始めても、髪は伸ばさなかったしピアスも外さなかった。そして、ネックレスも首元に輝いている。
それは、花野と義隆の関係は、昔とは違うという無言の主張になった。
でも、義隆は伸ばしてほしいとは絶対に言わなかった。
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