第一章 巡り会いの不思議

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 エントリーを出す程度なら問題ないかもしれないと考えた。  第一期という言葉は、それだけの魅力を花野に感じさせた。  男性に好感を(いだ)いたこともあった。  入社したら同じ部署になるかもしれない。確実に同僚にはなる。それも魅力的に感じられた。  「考えてみます。興味があるのは本当ですから」  花野の言葉に、男性は嬉しそうな笑顔になった。思わず赤くなるほどの表情に、近くの女性たちも注目している。  そして、ブース移動中の女子学生も、興味を持ったように男性を見ている。  この会社の人事部の社員はやり手だと花野は評価した。人を集める方法を熟知している。  花野は、この会社を受けようと思った。
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