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「うーん、、、」
俺は久しぶりにぐっすり寝ていたらしい。
聖堂の時計をみるともう昼近い。
「んー、、、なんか、あれ?」
寝ぼけ眼を擦る。
腹の辺りが、暖かい?
「すぅ、、、すぅ、、、」
そしてハッとする。
半身を起こして下半身を見ると、、、
レーネが俺の膝にしがみつくように椅子に乗って眠っていた。
「あああああああああああああああああ!?」
俺は気がつくと叫んでしまった。
「んん、、、?おはよう、リウ。寒かったものだから毛布と一緒にあなたと寝かせてもらったわ。人ってやっぱり暖かいわ。」
俺は後ずさりする
しかも、こいつ全裸じゃねえか!!
レーネが不老不死になったのは最近のことだと言っていた。
しかし、不老不死は20歳前後で体の成長が止まる。
レーネはまだ幼さが残る歳の見た目だ。しかし女の全裸なんて見たことは無い!!
「な、何してんだテメェ!!」
「何って、寝てたのよ?私、寝てる時に癖で脱いじゃうのよ。」
さも当然みてぇな顔すんな!!
しかもなんだその露出狂みてぇな癖は!
「寝るのに全裸である必要があるか!?夜這いでもする気か!」
「あら、そんな趣味ないわよ。して欲しかったらシテって言うわよ。何をそんな慌ててるの?あなた何百年も生きてそうなのに。それなら女の体なんて何度かは見たんじゃなくって?」
ド正論かもしれない
しかし俺には女と寝たことなんてない。
そう、おれは、、、
「500年は生きたわ!しかし童貞ですがなにか!?」
あーチクショウ言っちまったわクソが!!
「あら、そうなの?ちなむと私も男性経験無いわよ。奴隷商人のとこにいた時、全裸で見世物にされることはあっても、子供だからってヤったことはないわ。似たもの同士ね。」
「そ、そうかよ!てか、とりあえず服きてこい服!風邪引くぞ!!」
「ええ、そうね。不老不死でも風邪は引くもの。心配してくれるなんて優しいのね。」
そう言ってベットのある部屋に引っ込んで行った。
あーもう、びっくりした。
なんでこんなドキドキしてんだ。
初めて女の体見たからか?
いや、そういうんじゃなさそう。
たぶん、、、
いや、よしておこう。
俺は、まだ信じてないんだ。
もう、あんな思いはしたくない。
けどなー、なんか顔があちぃ。
俺はむしゃくしゃして椅子に腰かけて腕で目元を覆った。
あの目、やっぱり。
俺はあの目で見られるの、好きだ。
俺が渇望して殺しちまって得られなかった。
本当の、笑顔。
未体験の幸せ。
大切にしたい人の、笑顔。
俺と笑って話してくれる奴。
あの目を、守りたいなんて思ってしまった。
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