第1章 謎のアンケート

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1日前。 大学進学の為に上京した僕は、アルバイトの説明会会場に来ていた。 東北の実家を出て、大学まで自転車で通える立地の安アパート。 1K5.5帖。バルコニーなし。家賃3.8万円。 スマホの通信費も考えると、食費を切り詰めても、アルバイトは必要だ。 出逢いもあるかも知れないし。 会場は大きなカンファレンスセンター内の【5-A】。 始まる直前らしく、席はほぼ埋まっていた。 僕は慌てて、空き席に着く。 AI効果で単純労働が減り、バイト探しも大変だ。 ここにいる連中も人相が悪く、サービス業に向いているとは想えない。 斜め前の女の子を除いては。 業務内容の説明と面接があったのは、うっすら覚えている。 治験か何かで、期間は1日~30日。 報酬が最大1000万円ってのは、聞き間違いだろうな。 はっきり覚えてるのは、あのアンケートだ。 『無人島に1つだけ持っていけるとしたら何を持っていく? 7文字で答えよ』 しかも注意書きが続く。 ・直接身に付ける物は支給される(洋服や眼鏡・靴など) ・ポケットにある物は含まれない ・付属品は認められる ・人間は持ち物ではないので含まれない
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