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「しゃがんで!」
彼女はワンタッチで傘を開く。
開いた傘から衝撃波が生まれ、拳銃男が吹き飛ぶ。
「ふざけやがって。調教してやる」
態勢を整えて、拳銃を発砲してくる。
これビニール傘?透明なんだけど。
僕は傘の内側でしゃがんだまま、硬直していた。
銃口から硝煙が上がり、弾丸が傘に吸い込まれる。
何も起こらない、当たった衝撃さえない。
慌てて男は撃ち続ける。
「バカはそっち。選ぶなら弾数が多いサブマシンガンとかでしょ?
しかも、リボルバーって回転式拳銃だから。頭痛が痛い的な感じね?」
カチッ、カチッ。弾切れだ。
「アイのターンよ」
彼女は濡れた傘の雨滴を弾く様に、ランナーを使って中棒を上下にスライドする。
傘に吸い込まれたはずの弾丸が、反射するように戻っていく。
「命まではとらないわ。ドローンで見てるんでしょ?」
彼女の声で召喚されたように、MOJマークを付けたドローンが現れた。
倒れた拳銃男に向かい、応急処置を施すかと想いきや、発砲し止めを刺すドローン。
「君は一体、何者?」
「アイはこのイベントの経験者……いえ、生還者なの」
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