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言ってる意味が分からない。
人と被らない、斬新な回答を求めてるのだろうか?
たかがバイトに?
それとも、心理テストで『バイトテロ』しそうな奴を選別する為?
僕は斜め前に座っている女の子をチラ見した。
実は会場に着いてから、気になって仕方がない。
ドストライクなのだ。
天気予報では晴れなのに、傘を持参してるけど。
彼女と同じ回答だったら、同じセクションになるってことだよな?
僕は何とか、彼女の回答をカンニングしたかった。
可愛らしく、両手で指折り数えながら首を傾げている。
でも、なかなか7文字には辿り着かないようだ。
端末への入力はタイピングではなく、指かタッチペンだ。
ラッキーなことに、7文字目だけが埋まっているのが見えた。
傘
え?傘?無人島に?
でも、これは被らないぞ!
問題は残り6文字。
「締切2分前です」
無事に送れた者。
エラーで慌てて再考する者。
傘というラストワンは分かるが、他が分からない僕。
未だに指折りする彼女。
相談できないのが痛い。
「あ!」
閃いたらしい。分かりやすい子だ。
これ以上ない位、斜め前のスマホ画面を注視する僕。
読めた!
そして書いて送ったんだ、彼女と同じ回答を。
『超絶ハイテク傘』
送信!……って何だそりゃ?
「はい、ここまで。皆様、お疲れさまでした。
ルーム【5-B】はあと10分で完全退館ですので、速やかにお帰りください」
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