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夜明けだ。辺りは夜の闇から白々と景色を表していく。
黄土の大地。この辺りも昔とは見違えてしまった。
少しずつ昇る太陽の橙は、変わり果てたこの地を鮮明に映し出す。
ここ数年前までは、黄緑の新芽があちこちで見られ、
木々も草花も深い新緑の森であったのだが、
大地に豊富にたたえられた水が汚染され始めると、
辺りは暗紫の苔で覆われるようになり、
腐った桃のような、甘く、咽ぶような香りを放つようになった。
コレは赫怒した妖精の仕業か、はたまた傲慢な人間の仕業か。
見る間に辺りは茶褐色の枯れた草花へと化していく。
晴れ渡ることはほぼなくなり、常に黒く厚い雲に覆われ、
青空をみることも少なくなった時に、
今日のこの天候は非常に稀なことであった。
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