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「他の銀河にも、大連盟があるのか?」
「なんだ、その驚いた顔は。そう考えるのが、普通というものだろうに」
「まあ、そうかもしれないけど」
「確かに、地球なんかよりよほどか科学が進んでいるのは認めるが、それだけ、じゃないか」
「よくわからないけど、そういうものじゃないの」
「いや、普通科学が進めば、その、哲学的にも進歩しているはずだと、地球人は考えるものなのだがな」
「それは、あなたの勝手かもしれないけど、迷惑だな・・というか、それをいうなら、われわれは、哲学的にはすでに完成されているんだから」
「それ以上進化する必要なし?」
「そういうこと・・だ」
「なるほどね」
「違うのか」
「まあ、どうでもいいがね。ちょっと気を利かせて、ベガの故郷というところの大連盟がどんな場所なのか、見に来たのにな」
「ベガ、誰だ、それは」
「知らないか、勇者ベガ・・その昔、大連盟の大艦隊を率いて幻魔大王に挑んで、返り討ちにあった」
「知らない」
「ほんとかよ」
「たぶん、あなたの言うとおりに、その男が返り討ちにあったのなら、すでに、戦績抹消になっているのじゃないかな」
「負けたら、お払い箱?」
「それが、大連盟だから」
「なんか、生存競争厳しそう」
「そうだ、大連盟はたくさんの文明圏の合体組織だからね、その共通のモノサシとなると、それほど多くないから」
「で、生き残ったもの勝ち・・?」
「そうだ。生き残ったものが、正しい。生き残ったものだけが、繁栄できる」
「ううむ・・確かにシンプルであることを否定するつもりは無いが、なにか、それって、妙に、退化しているのでは」
「宇宙は、贅沢なんだ」
「贅沢・・?」
「多くの恒星系でも、生命が自然に生まれる環境は限られているわけで。その中で、高度な思考をする生命体にまで進化できる惑星を持つものは、本当に少ない。さらに、宇宙進出し、その恒星系を離れ、銀河の海に乗り出すことが出来る知的生命体は、さらに少ない。それでも、良いと、”大いなる存在”は考えているのだろう。その生き残った一種がこの宇宙に広がれば、宇宙は、生命で満ち溢れるから」
「なるほど、宝くじの当たりくじと同じ発想かよ・・あるいは、賭け事で、勝ったものが総獲りをするって寸法・・それは、それで、なかなかにタフな話だが」
「でも”大いなる存在”は、そう考えている・・というのが、大連盟の常識です。まあ、”大いなる存在”なんて、いるのかどうか疑問視する人間が、この世界では大部分ですけどね」
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