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「そこまでは、考えたこともないな・・まあ、そうかもしれないが」
「戦争で、武器を売って儲けている連中とかな。そういうやつらは、まあ、自分達の利益が減るくらいなら、辺境の未開の惑星世界の一つや二つ消えてなくなろうと、まったく痛くも痒くもないわけで」
「・・・それは、大連盟が、勝てる戦いを、ただ内部の企業の利益のために、いたずらに長引かせている・・と?」
「たとえばの話さ。あくまでも、な」
そういいながら、なんともいえない目で、窓の外の赤く燃える惑星を見下ろすタイガーであった。
「で、あんたは、なにしに来たんだ」
「だから、幻魔大戦の”本場”を見物に来たのさ」
「なんだ、そのお気楽な観光客気分は」
「そうでもないさ」
「そうでも、ない?」
「どうしてわしが幻魔大戦のことを知っていると思うんだ」
「あんたの惑星に幻魔が攻めてきた、のか」
「そ、そういうこと。で、ルーナ王女が、ここまでアストラルボディって精神エネルギー体となってここまでやってきたというのでな、わしも、ちょいとやってみたといいわけさ。まあ、あの幻魔たちは、このアンドロメダからやってきたというから・・ちょいとやってみたら、こうして、おまえさんに出会えたというわけさ」
「そんなに、簡単に出来るのか」
「簡単ではないが、こうしてやっている」
「確かに」
「コツがわかれば、200万光年どころか、これが何千万光年であっても同じようなもののようだな。ま、そんな芸当が出来るのも、わしだからこそ。あの生意気な黒人ガキのソニー・リンクスでは真空の宇宙に飛び出して、瞬く間に風船のように膨れ上がって、爆発しておしまいだろうがな」
「超能力者・・しかも、あんた、幻魔だな」僕は、いった。
「さよう、今頃になって、気がついたか」
「というか、今まで、まともに幻魔との間でコミュニケーションが成立するとは思ってなかったんだ。士官学校でも、学んでこなかったし」
「なるほど」
「ただ、幻術を使って攻撃してくる中には、こうして対話のような形式になることもあるらしいけど、相手にするな、と」
「なるほどね。お見事な教育の結果か」
「これは、幻術攻撃なのか」
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