南野の今

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南野の今

大和は、大学院を卒業後、就職した。 結婚して、娘がうまれた。 私は司法書士事務所を辞めて、 独立して自分の名前を看板にあげて、頑張っていた。 ある日、南野の友人の細田が事務所にやって来た。 細田は、南野の親しい友人で、まだ結婚していた頃よくお宅訪問して 会食したりしていた。 細田には、2人の子供がいて奥さんも先生をしていた。 私は、この夫婦が苦手だった、 地味でさえない私は南野には似合わないと思っているようだった。 なんだかバカにしてるような、態度が嫌だった。 当時 この夫婦は、園田先生と南野のことを知っているようだった。 w不倫を黙認している所もいやだった。 その細田がなんで、訪ねて来たか、不思議だった。 「ご無沙汰しています、細田さん」 「やあー 久しぶり、元気で頑張っているみたいだね、安心したよ」 「今日は、どのようなご用件ですか?  仕事の依頼では、ありませんね。」 「お願いしたいことがあってね、  大和君のことだけど、、、、、、、、  大和君は南野の子供だよね、実は南野は永くはない。  会わせてあげてくれないか?」 「大和に聞いてみます。でも大和のことは、誰に聞いたのですか?」 「園田さんだよ、そっくりだし、いろいろ、大和君に質問したらしい。  それで、南野の子供ではないかと、強く思ったらしい。  あなたには、申し訳なかったと言っていたよ」 「、、、、、、南野は大和と会いたいと思っているんですか?」 「、、会いたいけど、今さら、どの面下げて会えばいいんだと、言ってるよ  会いたいけど、会えないと言っていた。  そこらへんの事も、大和君に伝えて欲しい。」 「細田さんの連絡先と、南野の病院を教えて下さい。  大和から連絡させます。」 細田さんが帰っていき、私は複雑な気持ちだった。 南野と園田さんは、まだ連絡を取り合っていたのか? 30年たった、今も南野を思っている自分にうんざりした。       「
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