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あめあめ
あめあめ ふれふれ
母さんが
あれ。この続きってなんだっけ。
梅雨に入ってからと言うもの、ほんとに毎日雨が降る。
高校に入ってから、片道40分の道のりをかけて自転車で学校に通っているため、カッパを着ていても高校につく頃にはずぶ濡れだった。
親に勧められた行きたくもない高校に通って、したくもない勉強をして、でも友達はそこそこいて。
皆もこんなものでしょって思っていた。
普通で有ることが、人生の中では重要であるのだ。
学校の駐輪場に着く。
そこからはカッパを脱いで、タオルを頭にかけると走って昇降口まで行く。
「今日もあめだなー!」
よっ。と声をかけられる。
「びしょびしょだねー。」
同じクラスの早川くんは、好きなバンドグループが同じで高校になってから話始めた。
タオルでごしごしと髪の毛を拭きながら、一緒にクラスに向かう。
「今日3つも小テスト有るよ。吐きそー」
早川くんが笑う。
「私の脳みそには限界があるからな。」
私も笑う。
高校に入ってから、正直なところ全然勉強についていけていない。
焦りは有るし、悔しい思いもあるけど、本当にどうにもならないのだと心の中でもがいていた。
でも、それも周りに見せるのは恥ずかしい。
だからこうやって
本当の思いが周りに見えないように
いつもいつもひっそり息を潜めている。
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