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それから暫く経った或る日の事………。
久し振りの真史さんとのデートの待ち合わせ場所へと急いでいた頃、唐突に懐のスマートフォンに連絡が入ったのだけれど………。
電話の相手は真史さんだったの。
「………もしもし、私だけど。今、向かってるところなんだけど、少し遅れそうで。………御免なさい。そんなに時間はかからないから、待っててくれないかしら?」
「………ゴメンね。ひょっとしたら、どうやら僕はアナタの好意を受け止められなくなるのかも知れない。………ゴメン。」
「………それって、どう言う意味なの?」
真史さんは、その時、淡々と語り始めたの。
「………僕は、ハッキリ言って、アナタの事を嫌いにはなれない。でも、違うんだ。最近、僕、可笑しくて。………翔君になら、1度で良いから抱かれて見たい。………そんな疚しい気持ちになって。切なくて。辛くて。………ゴメン。どう伝えて言い逃れをして良いのかも分からなくて。」
私、真史さんに尋ねて見たの。
「………ひょっとして、私の事は遊びだったの?それとも、悪い冗談だったの!?」
「………………………………………。」
「………私だって、そんなハッキリしないヤツなんて、こっちの方からも願い下げよ!」
………なんて、強情を張ったつもりになって、そのまま通話を切ってしまったワタシ。
その日の天気は雨で1日が終わったけれど、ワタシの頭の中はそれ以上に土砂降りだった。このまま目が覚めなければ良いだなんて、生きてるって言う事が辛くて思ってしまったワタシ。
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