切り裂かれたスカート

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 夏子が背を向けた瞬間、神技的なスピードでナイフを振り、ブルーのロングスカートに切れ目を入れ、足を踏み出す事にお尻に沿って裂け目が広がり、教会の扉を開けて中に入った時には、完全に裾まで切れてブルーの波間に白いパンツが露わになった。 「酷い。最悪だわ。こんな惨めな思いをするなんて……」  夏子はスカートを両手で押さえて聖堂の後部席に座り込んで嘆き、近くにいた神父が心配して歩み寄って話しかけた。 「どうしたのです?」 「スカートが切れて、外へ出れません。少し休ませてください」 「それは困りましたね。娘ので良ければ、お貸ししましょうか?」 「神父さま。お嬢さまがいらっしゃるのですね?」 「ええ、家はすぐ近くにあります」  この瞬間、夏子はマリアが十字架のペンダントをしていたのを思い出し、神父の顔を観察して微笑み、少し気分が高揚したのである。
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