四十九日

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故人と晩酌をしていると突然。 ボーン ボーン ボーン ボーン ボーン 音が鳴り出して 何だと考えながら,,, 音がする場所が押し入れだった為 押し入れを開けて確認してみると 眠っていた はずであろう 柱時計がけたたましく 鳴り響いていた。 その時計自体、ぴっくは存在を知らず これにはさすがにビクッと驚かされた。 時計の裏を見ると電池はなく スイッチもオフになっていた。 オンオフを繰り返していると やっと鳴りやんだ。 ちゃんとした時計を見ると時間は 午後11時58分 極楽浄土に旅たつ前に挨拶を したかったのだろうか? 気配はいつも感じていたから びっくりはしたけど やはり恐怖心はなく。 四十九日を終えると不思議な現象は ピタリとおさまった。 このお家の菩提寺の住職にお話を 伺うと。故人は生前親しかった ふくよかな女性がいたらしく 話し声や いたずら的な事は 二人で行っていると言われました。 彼女が出来て自慢したいのだと 故人は自分の死をちゃんと受け止め 四十九日で成仏して お礼と挨拶がしたかったの事でした。 苦しみの中 死を迎える姿を見た 最後を看取った者としては 肩の荷がおりたような安心感に包まれました。 ありがとう御座いました。 本当に感謝しかありません。 心よりご冥福をお祈りいたします。
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