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「なっ、なに笑ってるのよ!」
「あっはは!だってすっごい焦ってるんだもん!わっかりやすいよねー!!」
「だってなんにも覚えてないんだもん!ここはどこよ!」
「やっぱり覚えてないんだ。っくく・・、さっきの百面相でなんとなくそうだろうなとは思ってたけど」
「・・・~っ!!もうやだ!帰る!!」
素早く布団をはぎとって自分の体に巻きつける。
こんな恥ずかしいところ一刻も早く立ち去りたい。でも、わたしはどこへ帰ればいいんだろう。行く当てがなかったからこんなところにいるわけだし。
床に転がっている下着を見てため息をつく。
「ねぇ、ごめんって、笑ったの怒ってる?」
「違います!見ず知らずの人の家に、こっ・・こんな格好でずっといられないので!」
「えー、俺たち昨日体を見せ合いっこした仲でしょ」
「・・・ねぇ、わたしたちって、ヤったの・・・?」
恐る恐る聞いてみると、男の人はニヤッと笑みを浮かべて部屋の隅を指差した。
隅に目を向けると、ゴミ箱が置いてある。
ゴミ箱と男の人を交互に見ると、またにやっとなったので布団を体に巻きつけたままゴミ箱まで足を進めて、中身を薄目で見ると・・・
あった・・・。
使用済みのものが捨てられていた。しかも、ふたつ・・・。
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