8人が本棚に入れています
本棚に追加
「布団を開けたら彼氏と見知らぬ女が一緒に寝てたの!もうびっくり~あははははっ」
「それはすごい修羅場だね。その後は美紀さんどうしたの?」
「彼氏を布団から引きづりだして思いっきり引っ叩いたわ。でてって!って」
「へー、もしかして出てった彼氏さんを探しててここにいたの?」
「そうなの、だけど疲れちゃって馬鹿馬鹿しくなっちゃったしね。今頃あの女と仲良くやってるんじゃないの」
声をかけられてから1時間ほど。もう遠くの空は明るくなってきていた。
最初は警戒心ダダ漏れだったのに、お酒の力もあってかさっき起こったできごとを話していた。全然、真実は違うけど。
「彼氏さんもう家に戻ってるんじゃない?」
「それはないよ、刺激的なことがしたかったんだって」
「刺激的なこと?」
「わたしと一緒にいても平凡すぎてつまらないんだって。だから彼にとってわたしがあの時布団を捲ったときは一番の刺激だったんじゃない?」
思い出すと泣けてくる。
あのときわたしが気づかずに布団を捲っていなかったら?
歓迎会が予定通りに行われていたら?
裕樹の浮気には気付かずに結婚できたのかな。
でも、刺激がほしいって言ってたから今まで平凡に生きてきたわたしじゃダメだったんだ。
最初のコメントを投稿しよう!