傘がないから

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「 ええー、 須田君は身長がこのくらいで。」 私が自分の胸のところに右手を当てると、 「 1年の時はね。 あれから30センチ伸びたの。 今は180以上あるのよ。」 思い出した。 可愛い優しい男の子。 私よりもちっちゃい男の子が、こんなに大きくなるの? まさか彼がこんなイケメンになるなんて! 全くの予想外。 背が高くなって顔も変わるの? でも、お友達だから良かった。 彼に意地悪もしてないし、ていうか誰にもしてないけどね。 この日から私は日本史の授業を心待ちにするようになった。 授業中に話は出来ない。 私は真面目だから、 なんとか斜め後ろに座って眺めるのが精一杯だ。 自由に席を選んでいいなんて日本史だけだ。 先生最高。まじヤバい。マジ神! 授業が終わった後、須田君と男子クラスまで一緒に歩く。 至福の時だ。 このまま時間が止まって欲しい。
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