傘がないから

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教室までは校庭をつっ切るのが一番いい。 ある日雨が降った。 「 松下さん、傘ある?」 「 うん、あるよ。」 私は準備がいいのだ。 須田君の視線を追うと、 女子が男の子の傘に入れてもらってる。 ( ああーこの手があったかー。) 私はこういうのが出来ない。 私は日本史の授業には傘を持っていかない事を決めた。 とうとう雨が降った。 日本史の授業中ニヤニヤが止まんない。 ( 傘に入れてもらっちゃうー。 アイアイ傘とかした事無いから、きやー!) 「 松下さん、傘ある?」 「 えっと、無いの。」 須田君は大きな目を真ん丸に見開き、 「 僕も無い。」 と、言った。 ( えっえっ恥ずい。 私がアイアイ傘したいのバレバレってこと? イヤー!)
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