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◆◇◆
翼先輩を見ていたせいか心なしか嬉しいような寂しいような気持ちのままだ。
僕は昼になるといつも食堂に行く。
食堂に通る際今日は遠回りして裏庭なんか通ったからだ。
こんなに遅くなったのは。
次はちゃんと近道で行こうかな。
食堂の隅にあり、あまり人目のつかないドアを開けてお決まりの外のテラスに行くとお馴染みのメンツがそろっていた。
「あ。まひろ君、どこ行ってたんスか?」
「待ってたよ。」
「あはは・・・。ごめんなさい。」
「いちいち謝らなくていいからな?」
一つ上の先輩である今井 陸(いまい りく)と、言野背 はやと(ことのせ はやと)、三つ上の先輩である若月 大輝(わかつき たいき)の三人が先に待ってくれていた。
陸先輩はムードメイカーみたいでいつも元気で明るくて太陽みたいな人。
先輩でもそう感じさせない雰囲気があって人気かつ、美形なんだよなぁ...。
面白いし、気兼ねなく話せる。
はやと先輩も優しくて成績が必ず一位でイケメンなんて、世の中の男子の理想を詰め込んだようなすごい人。
実は御曹司ではあるけど自慢とか相手が誰でも同じ態度だからこの学校の人気一位の人だ。
大輝先輩は少し無口であまり表情を変えないせいでミステリアスだと思われがちだけど実は一番繊細で気遣いができて兄貴みたいな存在感。
面倒そうな顔をしていて気怠げな人だけどそこがいいとかでやっぱりモテている。
そんなすごい人が集まりに集まって僕たちがいる。
きっかけはきっと楓先輩だと思う。
江口 楓(えぐち かえで)先輩は、はやと先輩と同じクラスではやと先輩の彼女。
その二人からだんだんと固まって集まっているんだと思う。
実際に楓先輩たちは今、屋上で食べている。
その中にはもちろん翼先輩も......。
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