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◆◇◆
いよいよきました。決戦の日です。
やっぱり策の一つも思いつきませんでした。
あの後で大輝先輩と下校中にいろいろと試行錯誤しましたが良い案が出ず、結果的に大輝先輩からは「もういっそノリで押し切れ。」と、言われました。
意を決してノリでいくしかないと思います。
きっと結果は目に見えているけど、それでも好きなんだ。
本当に重いなあ、我ながらそう思う。
「・・・・・・っ。」
告白は一度だけのチャンスではない。
翼先輩を呼ぶ。それが何より重要だ。僕は今まさに翼先輩を呼ぶ。
放課後に呼ぶなんて王道すぎるかもしれない。
あからさまかもしれない。
翼先輩の教室の目の前にいる。
緊張するし、心の臓が早鐘を打つ。
呼ぶにしても誰に聞けばいいのかな。
ふとした時に目が合った。
「あれ?まひろっちじゃん。どしたの?」
明るく誰にでも打ち解けれる存在の彼女は清水祥子(しみずしょうこ)先輩。
僕はあだ名である彼女をししょー先輩と読んでいる。
ししょー先輩ははやと先輩達と仲が良く八人でいることが多い。
はやと先輩と従姉弟って言ってたな。
「ししょー先輩って翼先輩と同じクラスなんですね。」
「うん。大輝君ともね。」
あれ?......大輝先輩には僕達みたいに大輝っちとか呼ばないんだ。
ししょー先輩はてっきり全員にそう言っているのかと思った。
「で、どしたの?」
「あっ、そうでした。・・・・・・あの、翼先輩を、呼んで・・・ください。」
僕は恥ずかしすぎて小さく呟いた。
いざこうしてみると恥ずかしいものだな。
「・・・・・・ふーん。いいけど残念な話と嬉しい話があります。どっちが聞きたい?」
いきなりししょー先輩はにやけた。
きっと僕のことがバレたんだろう。
かと思えばししょー先輩は指を二つにピースサインを出した。
どちらも聞きたくないような......でも翼先輩のことなんだろう。
僕は苦々しげにぽかんと口を開けて選んだ。
「えっと、なら嬉しい話から。」
「はい、嬉しい話は翼っちは今は誰とも付き合ってません!そして残念な話です。」
「はあ・・・・・・。」
ししょーはぐっと親指を立てて強調して言った。
その後すぐ間を取って笑った。
◆◇◆
「翼っちは教室には居ません!先生に呼び出されて職員室に居ます。なぜかと言うと、翼っちはとても頭が良く・・・・・・ってあれ?まひろっちは?」
「お前の話が長いんだろうが。」
目の前にまひろっちが消えていました。
どうやら翼っちを追いかけた模様......と、大輝君がすかさずツッコミをいれました。
まあ、彼も聞き耳を立てていたのでしょうかね。
「おい、全部声に出てんだよ。」
「え、マジで?」
「マジで。」
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